配偶者居住権

配偶者居住権の概要

配偶者居住権とは、相続が起きたあとも、残された配偶者の方が、今までどおり自宅に住み続けることができるようにするための権利です。
最近の民法改正で新しくできた仕組みで、簡単に言うと「家の持ち主」と「家に住む権利」を分けて考える制度です。

どんなときに使う制度?

例えば、次のようなときに配偶者居住権が役に立つことがあります。

・配偶者には、これからも安心して自宅に住み続けてほしい
・家は将来的には子どもに持たせたい
・自宅だけでなく、預貯金などもバランスよく分けたい

こうした場合に、
 ・配偶者 →「自宅に住み続ける権利(配偶者居住権)」を取得
 ・子ども →「自宅の所有権(将来の持ち主)」を取得
という形にすることで、みんなの希望をできるだけ取り入れやすくなります。

相続税の計算ではどう考えるの?(イメージ)

相続税の計算では、自宅を次の2つに分けて考えます。

・配偶者が自宅に住み続ける「権利」の部分(配偶者居住権)
・それ以外の「所有権」の部分

配偶者の年齢や平均余命、自宅の価値などをもとに、国のルールにしたがって、
「配偶者居住権はいくら」「所有権はいくら」と計算します。
実際の計算は専門的ですので、相続税の申告の際に税理士が行います。

配偶者居住権のメリット

・配偶者の住まいの安心を確保しやすい
 → 自宅の所有権を全部もらわなくても、「住み続ける権利」が法律で守られます。

・自宅と預貯金などをバランスよく分けやすい
 → 自宅の所有権は子どもに多めに、配偶者には預貯金を多めに、などの調整がしやすくなります。

・相続人同士の話し合いがまとまりやすくなる場合がある
 → 「配偶者は住み続けられる」「子どもは将来的に家を受け継げる」という形にできるため、  考え方の違いを調整しやすくなることがあります。

配偶者居住権のデメリット・注意点

・制度のしくみが少し複雑
 → 遺言や遺産分割協議の内容を慎重に決める必要があり、専門家のサポートがほぼ必須です。

・自宅の売却や建て替えが簡単ではなくなることがある
 → 配偶者が住む権利と、子どもの所有権が分かれているため、将来自宅を売却したり、建て替えたりする際には、
  関係者全員の合意が必要になり、手続きが複雑になることがあります。

・子ども側の希望と合わない場合もある
 → 子どもが「早めに自宅を売却して相続分を現金で受け取りたい」と考えている場合など、  配偶者居住権の設定がかえって負担感になることもあります。

・税金や将来の不動産の扱いが、通常のケースより複雑になることがある
 → 相続税だけでなく、将来自宅を売却するときの税金の計算なども変わる場合があります。

配偶者居住権は、「配偶者の住まいを守る」うえでとても役立つ制度ですが、ご家族の状況やご希望によって向き・不向きがあります。
利用を検討される場合は、相続全体のバランスを見ながら、専門家と一緒に考えていくことをおすすめします。


 

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2023/04/02

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